京都西山をめぐる

おばんざいとお酒 なかの邸

江戸時代から続く旧家で
心豊かなひとときを

旧西国街道沿いに佇む中野家住宅(国の登録有形文化財)を活用したお食事処。150年以上もの時が刻まれた中で、手の込んだ料理と銘酒が堪能できる。美しい庭園を目の前にいただくのは、オリジナルのだしで仕込んだ数々のおばんざいや、宮津から届く魚の一刻干し、熟成ローストビーフなど、ひと手間かけた献立ばかり。欄間の繊細な格子細工をはじめとする室内の意匠は、ほとんどが江戸時代末期の姿をとどめているそう。歴史的にも貴重な空間で日常の喧騒を忘れ、心豊かなひとときを。

料理の要となるだしは、名店「うね乃」の昆布や鰹節を使い、ていねいに引いたもの。なかの邸コース(4,900円)でも、おばんざいの茶わん蒸しや、だしを含ませたすり身揚げ、釜めしなど、だしを活かした献立が提供される
座敷には、京都画壇で活躍した日本画家・橋本関雪の「渡唐天神図」や、作家・吉川英治の書が収められた欄間額など、中野家が所蔵してきた書や絵画が飾られている
竹を編んだ網代張りの天井(左)や、釘を使わずに細い木を麻の葉文様に組んだ組子細工(右)など、日本家屋の建築様式を間近に見ることができる
玄関を入ると自家焙煎コーヒー豆などの販売スペースがあり、右手の蔵を焙煎所として活用。「NAKANOTEI COFFEE 天王山」のコーヒー豆もこちらで焙煎している
歴史的にも価値のある旧家を活用したなかの邸は、地域の人の交流の場にも。障がいのある人をサポートする一般社団法人暮らしランプが運営する
  • おばんざいとお酒 なかの邸
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  • 長岡京市調子1丁目6-35 
  • ☎ 075-959-2877
  • 日・月曜休
  • ランチ・カフェ11時30分~15時(LO14時)、ディナー18~22時(LO21時)※ランチ・ディナーは要予約
  • 阪急「西山天王山」駅から徒歩約6分